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神戸新聞Webサイト

JR福知山線脱線事故 詳細ルポ

神戸新聞のWebサイトですが、やはり圏内ということもあってかなり詳細に記事が立てられています。事故調査委員会の報告もそうですが、事故被害者にここまで綿密に取材をしているところは早々ないように思います。ただこれも1つ考え物で、実際に被害者やご遺族の方がそんな頻繁に取材を受ける余裕があるのか否か、あとマスコミの「JR西日本が悪だ」という一元的発想を垂れ流しにしている低俗論調に巻き込まれてはいないだろうか、と、いくつか疑問が沸いてくるのも事実です。

(私と同じ論調を)マスコミがちらっと放映していたので、ここで発露することに対して二番煎じに近いものを感じますが、JR西日本の体質そのものに問題があったのは間違いないと思いますが、それ以上に社会を構成している我々もその責任の一端を背負っているという自覚が明らかに足らないと思っています。昨今の日本人がイラクで拉致された事件にしてもそうですが、あれは自己責任という言葉を完全に履き違えています。自己責任というよりもあれは「日本人としてのコミュニティを逸脱しといて助けてくれとか論外だ」という、悪く言えば村八分的な排斥思想です。この排斥思想、もう少し定義の枠を広くして国粋主義といいますか、このような考え方も過度でなければ悪くないと思いますし、むしろ日本人の和の要素を鑑みるならばそれほど不自然な考え方でもないでしょう。しかしこのような考え方を背景に置いておきながら、いざJRの不祥事が露出すると「悪いのはJR!」という一元的な悪が社会の論調として形成されつつある、これは少し雰囲気としてまずかろうと思います。

hatenaかlivedoorかexciteか、どのブログで触れたかは忘れてしまいましたが、以前簡単に規制緩和がもたらす弊害について触れたと思います。運送業界の規制緩和がトリガーとなってトラックドライバーの負担が増え過労死/交通事故を起こしてしまう、といった類を紹介したと思いますが、鉄道業界もほぼそれと同じパターンで、他企業との競争の結果ダイヤが過密になり、それがemployeeの車掌や運転手に皺寄せされているのでしょう。(修正)資本主義の現在においてそのような競争原理を否定するつもりはないですが、このような大きな事故というものは必ずしも1つの企業に根源が収束されることはまずありません。一歩違えればニヒリズムですが、こういうのって大抵社会構造が悪いです。平たく言うと「噛み合わせが悪い」といった感じでしょうか。ですから蚊帳の外の我々は、JRを批判するのもそりゃアリかもしれませんが、それ以上に「(様々な場面で)我々が実質的な加害者の立場に立つ可能性があるかもしれない」ということくらいは銘記しておいて損はないんじゃないか、と思います。
by toranoo0812 | 2005-05-08 00:00 | 小さなニュース
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